この間、労使間交渉にかかわる労働法人の調査が発表され、「パートタイム失業制度がなかったら、完全解雇にせざるを得なかったという会社が多いこと、また、部分雇用であれ、雇用が続けば、所得税の納入が続くので、国庫収入の一部を負担し続けることにもなる」という理由が出され、制度の継続への強い希望が示された。
今回の危機では、製造業、鉄鋼・金属関係やテクノロジー部門の企業が大きな痛手を受けている。中には、売り上げが一気に70%減となった企業もあり、このパートタイム失業制度がなかったら、熟練の専門職者を失う上、到底危機を乗り越えられなかったと言う企業もある。
国会では、与野党相互から、延長支持の声が圧倒的に強かったようだ。ただし、わずか3カ月余りで資金が底をついてしまった、という事態に対しては批判の声もある。「パートタイム失業制度」を申請する企業に対して、基本的に、健全な経営状態にあることを条件とした、厳しい規則を設けるべきだ、との声だ。こうした議論に基づき、政府は、近日中に、労使とともに、同制度適用の条件を話し合うことになっているという。
OECDは、経済回復基調が確実になるまで、政府による経済活性のための資金注入はやめるべきではない、という。欧州連合の加盟国は、お互いの足並みをそろえて回復基調に戻っていかなければならない、という事情もある。
けれども、いまのところ、まだ、安心には程遠いようだ。2010年の失業率は倍になる予定だし、財政赤字は、毎日1億ユーロずつ増えていくという。
そんな中で、経済学者の中には、不況は、劣悪経営企業の淘汰なのだから、要らぬてこ入れはすべきではない、という意見もなくはない。しかし、全体の傾向を見ているとこういう声は小さく、やはり、オランダの場合は、企業優先というよりも、労働者の保護に非常に厚い国である、と思う。
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