「教育先進国リポートDVD オランダ入門編」発売

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2009年8月28日金曜日

パートタイムの方が効率がいいのは当たり前???

 某会社の部局で、局長をしている義妹がこういう。数人の部下を使っている。
「そりゃあ、パートタイムの方がずっと仕事効率がいいのは当たり前よ。パートタイムで働く人は、一週間単位で、今日は会社、明日は家事、と計画的に過ごすわけでしょ。今週の仕事はここまでやっておかなくては、という計画性がすごく高い。それに比べてフルタイムは区切りがないから、いつまでたっても予定の仕事が終わらなかったり、翌週回しにしたりということはよくあることよ」

 彼女自身、学校を卒業して以来、ずっと同じ企業の中で、勤務時間数を調整しながらこれまで務めてきた。子どもが生まれると、ゆりかごを抱えて子どもを連れて出勤し、授乳しながら仕事をした。

 子どもたちが小学生の間は、週に三日、手が離れるにつれて仕事量を増やしたが、決してフルタイムでは仕事をしなかった。局長職に就いてからも、週に四日が続いている。家事に以前ほどには手がかからなくなった今は、週末を過ごすテニスクラブの世話をしたり、隣近所の集まりに積極的に出かけたりと、言うならば非営利活動に精を出している。

 管理職になってもフルタイムで働かないオランダ人は多い。私がよくいく小学校でも、校長が週五日まるまる働いているケースはむしろ少数派だ。たいていは、週4日で、週のうちの一日は家事担当、孫の子守、あるいはセカンドジョブとして若手養成のための研修事業団体を自営業で経営している、などだ。どの学校でも、そういう校長不在を埋める校長代行者がいる。

 残業は慣行としてやりたがらないのがオランダ人だ。
 よほど人手不足の企業ならともかく、本当に残業をやらなくてはならないほどの仕事がある会社は新しい人材を雇うだろう。なぜなら、皆、残業をせずに早く家に帰りたいし、仕事だけで疲れ切ってしまうのはごめんだからだ。

 天気の良い夏の昼過ぎなど、我が家のあるハーグ市の路面電車は、どこも、海浜行きの電車が満員になる。一体全体、こんな働き盛りのいい大人たちがどうしてこんなに時間があるのだろう、と感心するほどだ。多分、週一日の休みの日を利用して、家事をさっさと片付け、日ごろありつけない太陽光線を浴びに海浜に行くのだろう。休むこと、くつろぐことに何の罪悪感も感じないこの人たちには感心する。

 ひょっとすると、、、
 日本人が感じなくてはいけないのは、効率を上げているわけでもなく、はたまた家庭を顧みるでもなく、ただだらだらと仕事場にい続けることへの罪悪感なのではないのか、とさえ感じてしまう。

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